雨上がりの香り

書きたいときに書きたいことを書いてるブログ。

山に住もうとした話

 

 

私のブログをみてくださって、ありがとうございます。

 

 

 

去年の夏頃、無性に山に住みたくなった。

我が家は田舎は田舎だけれども山ではない。

どうして山に住みたかったかというと、自分達で食べていけるから。

古民家や自給自足というものに興味があったし

会社のルールに耐えれなくなったら辞めれるし。

とても安易な理由なのです。

 

実を言うと、ここ一年くらいで古民家付きの山を2回買おうとした。

予算は100万円。なんちゃら費とか何何税とか

ぜーんぶひっくるめても150万円が限界だった。

 

1件目は、持ち主さんと役所の間で

管理費の相違だかなんだかの手違いがあり、やめておこうとなりました。

よい古民家だったが そんなに思い入れはなかった。

問題は、その数ヶ月後に出会った2件目の古民家だ。

 

最初、ネットの古民家売買みたいなサイトでその古民家を見つけた。

私好みのひろーい古民家だった。

値段がついていなくて、交渉次第という雰囲気だった。

そのサイトの扱う物件は、600万円前後から2000万円前後だったので

「最低でも500万円はするだろうなあ」と思いながら、

私は数日その古民家を眺めては妄想して遊んでいました。

もちろん買う気はなかった。いや、買えなかった。

なにしろ予算100万円ですから。

 

ふと、「ダメ元で100万円で交渉してみよう」と思い立ち、恥を覚悟で実行。

それは半ば 諦めるための行動だった。

「100万円で交渉して撃沈されて はいチャンチャン」みたいな。

それで私の気が済む。

私は夫に言った。「万が一、奇跡が起こって100万円で話ついたら買うからね」

夫も気前よく「いいよ」と言ってくれました。

 

で、数日後 先方から電話がかかってきて

土地も古民家もトータルで100万円でいいよって。

それはそれは沸いた。夢のような話。

興奮しすぎてか、この時の事はあまり覚えていない。

まさか100万円で買えるなんて私達夫婦は思っていなかった。

ダメ元で動いた事が何がどうなってるのかスムーズに事が運んだ状況でした。

( もしかして今は、見えない世界のキャンペーン中なのか!?)

 

 

いくつか問題点もありましたがそんなものは気にならなかった。

勢いがついていたし、一世一代の大チャンスくらいに思っていた。

でもそう思っていたのは私だけでした。なぜか夫は喜んでいない。

夫は「100万円なら買っていいよ」と言ってしまった手前、

「やっぱり僕、イヤになった」と言い出せずにモヤモヤしていたらしいです。

色々 腹を割って話し合った結果、今回は見送ろうという事で話はついた。

 

私は物分かりのいい妻よろしく「いいよ、見送ろう。」と笑った。

けど今度は私がモヤモヤし始めた。

「いいよ、見送ろう」と言ってしまった手前、

「やっぱり私、買いたい」と言いにくいものがあった。

まるでババ抜きの「ババ」が私に回ってきたようだった。

 

先方さんを待たしてる状態だった。

上の子に泣かれた。「引っ越すのんイヤだ」と。

下の子は「大工さん(DIY)するんだ」と大はしゃぎ。

 

私は離婚するつもりはなかったが、別居は有りだと思っていた。

残りたい者は残って、行きたい者は行く、それも有りではないか、

なんなら私1人で行く選択肢もあった。

けれど、そのような想像を展開させると

アレまあ私 泣けてきちゃって「無いわ」となった。

まだ うちの子は小さいし、なにより私が子供と離れたくなかった。

しょーもない意地を張らなくて正解だったと思う。

家族の意見が割れた状態‥‥今思うとあれは家族の危機だったのかもしれない。

というか私が勝手に欲望にかられてただけ。皆を巻き込むプチ?騒動だった。

ごめんよ みんな。ママさ、日向ぼっこできる縁側のある家に住みたかってん。

 

とは言っても「ババ」を抱えたまま私が人知れず沈黙するなんて事はなかった。

思いのタケを一晩中 夫に聞いてもらい、夫が寝ても私は1人でしゃべり続けた。

トンチンカンな答えが返ってくる。夫は寝言で返事をしていたから。笑

 

次の日 私は返事を待つ先方さんに電話をかけ、

出来るだけ丁寧に、感謝の気持ちと 辞退する旨を伝えた。

 

それですべて解決と思いきや、私の感情はそうではなかった。シツコイネー

頭では分かってる。

運命を感じる程の貴重な物件ではあるが、家族が分断してしまっては元も子もない。

夫が躊躇する理由はとても納得するものだったし ほぼ同意見だった。

なによりも、もう断ってしまった。

 

私は私の中の執着とにらめっこ。

 「今ならまだギリ間に合う」という思いがさらに執着心を掻き立てた。

そういえば、あの時は私お得意の「ネガティブ感情を手放す作業」とかの事、

すっかり忘れていたなあ。あの時ほど周波数が下がった時はないと思う。

家族の者は皆、何事もなかったかのように過ごしていて、

私のわがままな感情だけが置いてけぼりだった。

 

「このチャンスを逃すなんて、そんなん出来るかいな!!」

 

で、何が決定打となって心底 諦められたか。

子供の涙ではない。

夫への愛でもない。

 

 

「面倒な手続きしなくて済んだ」という思いでした。笑

なんというめんどくさがりなんでしょう。実に私らしい。

 

その事に気づいてからは、逆にホッとしてる私がいた。

山や家を買うなんて、きっと手続き等がごちゃごちゃあるに違いない。

それらを担当するのは きっと言い出しっぺの私になる。

ゾッとした。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜 振り返って(今 現在の気持ち )〜

 

正直、「山に住みたいという気持ちが無くなった」と言ったら嘘になる。

というか、どちらの選択がよかったのか いまだに私には分からない。

分かっているのは、私は「行かない」という選択をしたってこと。

 

気になっているのは、忘れもしないあの奇跡。

もしかして、あれは「お計らい」だったかもしれなくて。

私はその「お計らい」を無にしたのかもしれなくて。

 

「学び」というのなら、山に限らずどこにでもあると思う。

結局私もこわくなっちゃったのかな。今の生活、便利で快適だもん。

 

いつか私の寿命が尽き、あの世に行った時、聞けるチャンスがあれば聞いてみたい。

「あの時って、どうすべきだったの?実際のところを教えてよん」

『あれはご先祖さん総出で頑張ってお膳立てしてやったんじゃぞい』

もしくは『ご先祖さん総出で全力で阻止していたんじゃぞい』

聞いてどうするの私‥‥なんだか冷めてきた‥‥

 

 

 

あ、そうか。そんなに山に住みたかったら

次の転生で「山に生まれる」って設定すればいいんだ。

ならば「日向ぼっこ出来る縁側」のみならず、「わらぶき屋根」も追加しよう。

 

いやいや今世でもまだ望みを捨てたわけではない。

きっと山での生活は、想像するよりはるかに大変に違いない。

それでも実際に体験してみたい。想像ではなくて。

想像はあの世でイヤっちゅーほど出来るだろうから。

 

10年後くらいに家族会議を開く。

もし みんながイヤだと言っても

冥土の土産と言いつつ私1人で行けばいい。

だってその時は みんな大人だし〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‥‥て、ぜんぜん未練タラタラではないか〜!

 

 

 

 

 

しかしあの奇跡だけは行動の賜物だったな〜